「世界5大ウイスキー」の謎!言い出したのは誰なのか?

知識・雑学

ハイ!OKKAです!
今回は「世界5大ウイスキー」について!
聞いたことある人も多いと思うんですが、結構謎も多いんですよね…!

単なる紹介だけではなく、いろいろ掘り下げて解説していきます!

「世界5大ウイスキー」とは

一般的に「世界5大ウイスキー」と言われているのは次の5つ。(歴史が古いとされている順に並べています。)

1.アイリッシュウイスキー
2.スコッチウイスキー
3.アメリカンウイスキー
4.カナディアンウイスキー
5.ジャパニーズウイスキー

サントリー ホームページ (suntory.co.jp)より引用

一つずつ見ていきましょう!

1.アイリッシュウイスキー

12世紀ごろにはウイスキー造りが始まったとされており、「ウイスキーの元祖」とも言われています。18世紀には世界一の生産量を誇っていました。
3回蒸溜による軽くてすっきりとした味わい、ポットスチルウイスキーが生み出す大麦の豊かな香りが特長です。

2.スコッチウイスキー

15世紀に、ウイスキー造りが始まったとされています。ウイスキーと言えばスコッチ、と言われるくらい、ウイスキーの代表格として有名です。
自然豊かなスコットランドには150を超える蒸溜所があり、それぞれが個性豊かなウイスキーを造り出しています。
世界で流通しているウイスキーの9割がブレンデッドウイスキーだと言われていますが、そのブレンデッドウイスキーが生まれたのもスコットランドです。

3.アメリカンウイスキー

17世紀にスコットランドから大西洋を渡ってきた移民たちが造り始めました。
はじめはライ麦を原料としたライウイスキーが主流でしたが、その後ケンタッキーやテネシーの特産品であるトウモロコシを主原料としたウイスキー造りを開始。現在のアメリカンウイスキーの代名詞であるバーボンウイスキーが誕生しました。

4.カナディアンウイスキー

アメリカ独立戦争が始まった18世紀後半ごろ、アメリカの独立に反対する人々が、イギリス領であったカナダに移住してウイスキー造りを始めたのが、カナディアンウイスキーの起源です。
その後、20世紀前半のアメリカ禁酒法時代に、大きく生産量を伸ばしました。
軽い酒質で、あまりクセがなく、飲みやすいのが特長です。

5.ジャパニーズウイスキー

1929年、竹鶴政孝氏と、サントリーの創業者である鳥居信治郎氏の二人によって作られた「サントリー白札」が、国産第一号ウイスキーです。
その後、高品質なウイスキー造りに挑戦し続け、世界で高く評価されるウイスキーが生み出されるようになりました。

こうして見ると、こんな風に思いませんか?
「5大ウイスキーというけど、日本だけやたら歴史が浅いなあ…」と。
他の4つは数百年という歴史がありますが、日本はまだ100年経ってないんですね。

「世界5大ウイスキー」と言い出したのは誰なのか

誰が言い出したかは分かりませんが、「日本人が言い出した」のは間違いないようです。

ウイスキー文化研究所代表の土屋守氏によると、

「1970年代から1980年代には、5大ウイスキーという呼称がすでに使われていた」

「当時、日本のウイスキーは輸出されてはいたが、スコッチやアイリッシュの関係者たちが、ジャパニーズウイスキーを自分たちのウイスキーに並ぶものと認識していたとは到底思えない」


「そう考えると、世界の5大ウイスキーの1つ、というジャパニーズウイスキーの肩書きは、当初は“自称”だった可能性が非常に高い」


ということなんですね。
日本が世界5大ウイスキーに入った衝撃的理由 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)より抜粋

つまり、最初は日本人による「ハッタリ」だったわけです!

また、そもそも「世界3大●●」とか「5大●●」というのはほとんど日本人によるものだそうです。

ウィキペディアの「世界三大一覧」には、「基本的に日本で考案されたものなので、日本国外の人とのやりとりでは通用しない。」と書かれているんですね。

それでも、嘘から出た誠というのか、現在、日本のウイスキーが海外で高く評価されているのは確かです。
アメリカのウイスキー雑誌「Whisky advocate」の編集長、Lew Bryson氏は、その著書で「日本は世界5大ウイスキーの一つ」と記しています。

「Whisky advocate」表紙。中央に「フロム・ザ・バレル」があります!

始めはハッタリでも、努力の積み重ねによって、しっかり「5大ウイスキー」として認められるようになったんですね。

今は「7大ウイスキー」?

しかし、現在はこの5つの国以外にも、ウイスキー造りは広まっています。
その中でも、今注目されているのがこの2つの国。

「インド(インディアンウイスキー)」と「台湾(タイワニーズウイスキー)」

です!

インディアンウイスキー

インドの人口は現在(2022年)約14億人。この国は、長くイギリスの植民地でもあったため、古くからウイスキーが飲まれてきました。
2020年の「世界ウイスキー売り上げランキング」では、インディアンウイスキーが1位~4位を独占。ベスト10に7銘柄も入っています。(ちなみに、他の3つは「ジョニーウォーカー」「ジャックダニエル」「ジムビーム」です。)

とは言っても、スピリッツが添加された安いウイスキーが大半で、国際基準ではウイスキーと呼べないものもたくさんありました。
しかし、近年になって、「アムルット」「ポールジョン」などが、世界の品評会で認められ、国内でも「世界に通用するシングルモルトを作ろう」という動きが高まっています。

タイワニーズウイスキー

2006年、世界のウイスキー界に突然現れたのが、タイワニーズウイスキー「カバラン」です。
それまでは不可能と言われていた、亜熱帯地方でのウイスキー造りを成功させ、さらに世界の品評会の賞を総なめにしていきます。

・2010年スコットランドのエディンバラで開催されたウイスキー ブラインド・テイスティング大会で「カバラン クラシック・シングルモルト・ウイスキー」が優勝。

・その後も、世界で最も権威があると言われる「ワールド・ウィスキー・アワード」や「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション」において数多くの賞を受賞。


・2020年の「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション」では、カバランのシングルモルトが1位から3位までを独占。


こんな感じです。

亜熱帯特有の気候によるスピーディな熟成と、トロピカルフレーバーが特長。

2008年には南投蒸溜所のシングルモルトウイスキー「オマー」が誕生し、最近ではホーリー蒸溜所が新設されるなど、その動きはどんどん大きくなっています。

「インド」「台湾」の2つを加え、最近では「世界7大ウイスキー」といわれることもあります。

さらに、本場イギリスのイングランドでも、新興蒸溜所が増えてきていますし、ウイスキー消費量がインド、アメリカに次いで第3位のフランスでも、ウイスキー造りが盛んになってきています。

他にも、イタリア、オーストラリア、ドイツ、ウェールズ、フィンランド、スウェーデン、スイス、タスマニア、イスラエルなどで、ウイスキーの新規蒸溜所が、どんどん稼働を始めています。

数年後には、これらの国のいくつかが加わって「世界10大ウイスキー」とか言われるようになるかもしれませんね!

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