詩情あふれるウイスキー紀行文!「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」紹介!

もっと楽しもう

ハイ!OKKAです。

今回は、ウイスキーをもっと楽しむための本の紹介!

あの村上春樹が書いた「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」です!

「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」情報
著者 村上春樹
撮影 村上陽子
出版社 新潮社(新潮文庫)
ページ数 128ページ
定価 649円(税込)
発行日 2002/10/30

シングル・モルトを味わうべく訪れたアイラ島。そこで授けられた「アイラ的哲学」とは?『ユリシーズ』のごとく、奥が深いアイルランドのパブで、老人はどのようにしてタラモア・デューを飲んでいたのか?蒸溜所をたずね、パブをはしごする。飲む、また飲む。二大聖地で出会った忘れがたきウィスキー、そして、たしかな誇りと喜びをもって生きる人々―。芳醇かつ静謐なエッセイ。
(Amazon紹介ページより引用)


128ページと、かなり薄めの本ではありますが、村上春樹の「ウイスキー愛」が伝わってくる、「読んでいるとついウイスキーが飲みたくなってしまう」本です。

前半はアイラ島、後半はアイルランドの様子が描かれています。
アイラ島では、当時ボウモアのマネージャーをしていたジム・マッキュエンとの対話もあり、短いながらもけっこう読み応えがあります。

対話と言っても、そこは村上春樹ですから、ジム・マッキュエンも、「村上春樹の小説の登場人物のような口調で話している」んですが、これがいいんですよね。

「僕が今こうして作っているウイスキーが世の中に出ていくとき、あるいは僕はもうこの世にはいないかもしれない。しかしそれは僕が造ったものなんだ。そういうのって素敵なことだと思わないか?」
(本書P45より)


このあたりなんか、まさに「村上春樹」って感じがしますよね。まあおそらく、実際にはこんな風には話してないと思うんですが、それがいい。

また、アイルランド編では、「パブに一人でやって来た70代くらいの老人」の描写があります。ただ、「老人がパブに来て、黙ってウイスキーを飲んで、帰っていく」だけ出来事なのですが、これを7ページにわたって描写しています。
これが村上春樹の小説のワンシーンのようで、詩情があっていいんですよね。ウイスキーがじんわりと体に染み込むように、心に染みていきます。

写真を撮影したのは、村上春樹の妻、村上陽子。
本職のカメラマンではないそうですが、この方の写真も、めっちゃいい味があるんですよね。
さすが夫婦、という感じで、文章と写真とがピッタリ合っています。

ちなみに、この文庫版は、1999年に平凡社から出版された書籍を文庫化したもの。
当時の書評では、こんな風に紹介されていました。

ウイスキーの故郷を訪ねた旅を、たくさんの写真とともにつづった紀行文。旅の前半ではスコットランドのアイラ島に行き、島に7つある蒸留所で作られるシングルモルト・ウイスキーを飲み比べて、作り手の哲学にも触れる。後半のアイルランドでは気の向くままに車を走らせ、良さそうな宿を見つけてはふらりとパブでウイスキーを楽しむ。
日本に戻ってからも著者は、ウイスキーを飲む度に、島の風景やパブの雰囲気を思い出す。旅は、終わってからもまた楽しめるものだということを感じさせる、「ウイスキーの匂いのする小さな旅の本」に仕上がっている。
(日経ビジネス2000/1/3号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)


私が買ったのは文庫版ですが、手に入るならこのハードカバーの方が、ウイスキー片手に読むにはいいかも。

いつもはハイボールばっかり飲んでいるOKKAですが、やはりこの本にはハイボールは合わんだろうということで、「アードベッグ ウーガダール」をストレートで飲むことにしました。

アイラの海岸を思わせる、磯臭いスモーキー感に、シェリーのフルーティーな香りが合わさって美味いですね~。

「村上春樹の小説が好き」で「ウイスキーが好き」な人にはゼッタイのおすすめです!

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