お酒と健康4 二日酔いの原因と対策!二日酔い後のNG行動・OK行動も解説!

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ハイ!OKKAです!

今回は「お酒と健康」シリーズ第4弾として、多くの酒飲みが体験したことのある「二日酔い」について解説します!

1.「二日酔い」ってどんな症状?

一般的に、「お酒を飲んだ翌日」に起こる不快な症状のことを「二日酔い」と言います。「宿酔い」と書くこともありますね。

「悪酔い」という言い方もありますが、飲んだ後、比較的早い時間に起こるものが悪酔いで、時間が経って、翌朝になってもまだ見られる不快な症状を二日酔いとしているそうです。

主な症状として「胸やけ」「吐き気」「頭痛」などがありますが、その他に「食欲低下」「疲労感」「下痢」「悪寒」など、さまざまなものがあります。
さらに、判断力や空間認識能力にも影響を与えるので、仕事や学業のパフォーマンスもがた落ちします…。

少し古い統計ですが、2011年に大関酒造がお酒を飲む人を対象に行ったアンケートで、「自宅以外の場所でお酒を飲んで二日酔いを経験したことがあるか」という質問に、70.2%が「ある」と答えています。
また、男女別では男性が79.6%、女性は60.8%と、男性が圧倒的に多いんですね。やはり、男性の方が「外でお酒を飲む機会」が多いからだと思います。

さらに、二日酔いが原因で仕事を遅刻した・休んだことがある人の割合は18.5%と、これも結構多いですね。

できればなりたくない二日酔い、どうして起こるのでしょうか?
その原因について解説していきます!

2.二日酔いはなぜ起こる?その5つの原因!

原因1 アセトアルデヒド

以前のシリーズでも解説したように、アルコールは肝臓の酵素のはたらきで、有毒なアセトアルデヒドを経て、酢酸(お酢の成分)に分解されます。

しかし、肝臓の分解能力以上のお酒を飲むと、この機能が正常に働かず、体内に「アセトアルデヒド」が残った状態になります。これが頭痛などのさまざまな症状を引き起こすというわけです。

また、日本人は欧米人と比べて、アルコールを分解する酵素が少ない人が多いという事実もあります。アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い人が、欧米ではほぼ0%なのに対して、日本人は44%もいます。
飲酒するとすぐに顔が赤くなる人は、分解酵素の働きが弱い可能性が大きいので、無理して飲まないほうがいいですね。

でも、二日酔いの原因は「アセトアルデヒド」だけではありません。

原因2 過剰な免疫反応

アルコールを大量に摂取すると、血液中や唾液に、「サイトカイン」という炎症が起こるときにはたらく免疫物質がたくさん出てきます。「サイト(細胞)」と「カイン(作動物質)」という2つの言葉が合わさってできた言葉です。

主にサイトカインは、風邪を引いたときなど、体内に細菌やウイルスが侵入した時に発生するのですが、アルコールでも同様のことが起こるんですね。
サイトカインによって、体内の炎症が緩和されるのですが、これが脳の血管周りで増加した場合、免疫反応が過剰になり、頭痛起こりやすくなるそうです。
体を守るための物質が、体に悪影響を起こすこともあるんですね。

ちなみに、このサイトカインが増えすぎて暴走する状態を「サイトカインストーム」といいます。新型コロナで、症状が悪化する原因とも考えられています。

「暴走」とまではいかなくても、二日酔いでも似たような状態になることもあるんですね。

原因3 体内の水分量の減少と増加

特にビールを飲んでいるときに感じる人が多いと思いますが、アルコールを飲んだ後、トイレが近くなることがあります。

これはアルコールによって、抗利尿ホルモンというホルモンの分泌が減るためです。

通常、人間の体はできるだけ貴重な水を失わないようにできており、抗利尿ホルモンは腎臓で水分を吸収させ、身体から水分を失わせないようにしています。
アルコールはこのホルモンの作用を抑えてしまうため、おしっこの量が増えるんですね。

この時は、体は軽い脱水状態にあります。体内の水分量が減ると、それだけアセトアルデヒドの分解も進まなくなります。これが二日酔いの症状を引き起こすというわけなんですね。

さらに、その後、抗利尿ホルモンの効果が戻ってくると、減ってしまった水分を取り戻そうと、体内の水分量が増える傾向にあります。この時、急に大量の水分を取ってしまうと、体内の水分量が急激に増えてしまいます。

二日酔いの時、顔がむくんでいるように感じるのは、この「水分量の急激な増加」が原因の一つだと言われています。また、この時に増えた余計な水分も、頭痛などを引き起こす原因になると言われています。

水分は減りすぎてもダメ、増えすぎてもダメというわけです。

原因4 睡眠障害

アルコールの取りすぎは睡眠に悪影響を及ぼします。アルコールの量が増えると、当然分解されるアセトアルデヒドの量も増えます。

実は、アセトアルデヒドには、覚醒作用もあります。その作用により、深い眠りが妨げられ、睡眠の質が低下してしまうのです。

質のよい睡眠は、筋肉を休めて疲れを取るだけではなく、脳の不要な情報を整理したり、あるいは脳に老廃物が蓄積しないように掃除したりする働きがあります。

睡眠の質が下がると、当然こうした働きも低下するため、しっかり睡眠時間を取ったとしても、実際には睡眠不足状態になっており、これが疲労や頭痛の原因になるわけですね。

原因5 お酒に含まれる不純物

どんなお酒でも、単に水とエタノールだけでできている訳ではありません。
ビールや日本酒などの醸造酒なら、糖質などアルコール以外の成分も多く含まれていますし、ウイスキーなどの、アルコール度数の高い蒸留酒にも、多くの香味成分が含まれています。

これらは、それぞれのお酒の個性を形作ってはいますが、体にとっては「不純物」ということになります。この不純物の中に、二日酔いを引き起こす成分があるのではないかと言われているんですね。

事実、ジンやウォッカのような、蒸溜された透明で不純物の少ない酒の方が、醸造酒である日本酒や赤ワイン、蒸留酒でも色の濃いブランデーやウィスキーよりも二日酔いの症状が軽いことが分かっています。

このように、多くの原因が重なりあって、「二日酔い」の症状が起こるんですね。

3.二日酔いの対策!飲む前・飲んでいる時にできる行動4選

では、できるだけ二日酔いを起こさないようにする方法はあるのでしょうか?
一番よいのは「飲みすぎない」ことだというのはわかると思いますが、そうは言ってもたくさん飲んでしまう日もありますよね。

原則としては、できるだけアルコールの吸収を遅らせて、血液中のアルコール濃度を急上昇させないことが大事です。さらに、アルコールの分解を早める工夫も必要です。

そのための方法を4つ紹介します。

①飲む前に固形物を食べる

通常、胃は消化のための器官なので、栄養素を吸収する働きはありません。栄養素の吸収は小腸の役割です。

しかしアルコールだけは例外です。飲んだアルコールのおよそ10%から20%ほどは、小腸ではなく、胃で吸収されるんですね。
胃で吸収されると、血中のアルコール濃度が急激に上がり、これが二日酔いの要因になってしまいます。
「すきっ腹で酒を飲むと早く回る」という経験をした人も多いのではないでしょうか。

それを防ぐためには、飲む前に、固形物を食べておくことが大切です。
胃は食べたものを、消化が終わるまで貯めておくので、そこにアルコールが混ざることで濃度が薄まります。
そのため、胃でのアルコールの吸収量が減り、飲んだアルコールが腸に送られるまで時間がかかるようになり、アルコールの吸収速度を遅くすることができるというわけです。

②飲む前に「ビタミンB1」を摂っておく

肝臓で分解されたアセトアルデヒドは「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)」の働きによって、さらに酢酸に分解されるのですが、大量にアルコールを摂取した時、このALDH2による酢酸への分解だけでは間に合わなくなり、「ビタミンB1がアセトアルデヒドをアセトインに分解する」ということが起こります。この時に、ビタミンB1が大量に消費されるのです。

疲れたあなたのカラダにアリナミン | アリナミン (alinamin.jp)より引用

したがって、ビタミンB1を事前に摂取しておくと、アルコールの分解を早めてくれます。

ビタミンB1を摂るには、サプリメントでもいいですし、コンビニなどで売っている栄養ドリンクでもいいですよ。飲む前に摂取しておけば、二日酔いの症状が少し緩和されると思います!

③しっかり「食事」「おつまみ」を摂る

お酒を飲むときには。お酒だけを飲むのではなく「料理」や「おつまみ」を一緒に摂ることが大切です。
特に脂肪やタンパク質を摂ることで、アルコールが食べたものと一緒に胃の中にとどまる時間が長くなり、小腸に行くまでの時間を遅らせることができます。

ただし、カロリーオーバーにならないように注意も必要です。
唐揚げやポテトフライよりは、オリーブオイルを使ったカルパッチョや、魚介のアヒージョなんかはどうでしょうか。

④お酒と一緒に水を飲む

お酒を飲むときは、お酒と同じくらい量の水分を摂るようにします。
ウイスキーなら「チェイサー」、日本酒なら「和らぎ水」などと言いますね。

吸収された水分が血液中のアルコール濃度を下げるので、アルコールの分解の手助けになります。
また、水を飲むことで、味覚をリセットすることができ、よりお酒を楽しめる効果もあります。

お酒だけだと、どうしても摂取のペースが早くなってしまいます。食事や水を一緒に摂ることで、飲酒のペースを遅くするという効果もあります。

4.もし二日酔いになったらどうする?NG行動3つとOK行動3つ

対策をしたからと言って、絶対に二日酔いにならないわけではありません。
じゃあ、もし二日酔いになったらどうすればいいのでしょうか。
まずは、やりがちな「NG行動」を3つ紹介します。

NG行動1 熱い風呂やサウナに入って汗を流す

汗を流すと、体内のアルコールが抜けてすっきりする…ような気もしますが、そんなことはありません。アルコールは汗をかいても抜けません。
逆に、二日酔いの時は軽い脱水症状を起こしていることが多いので、「汗を大量にかく」のはNGです!
汗をかけばかくほど脱水症状が進むので、逆にアルコールの分解が遅れてしまいます。

NG行動2 迎え酒

二日酔いの時は「迎え酒」として、さらにお酒を飲むとよい、なんてことを聞いたことがあるかもしれませんが、もちろんNG行動です!
アルコールの分解が遅れて二日酔いになっているのに、ここにさらにアルコールを摂っても悪化するだけです。
「でも、迎え酒をしたら楽になった」という経験がある人もいるかもしれませんが、それは単にアルコールの麻酔作用で、痛みが紛れているというだけにすぎません。
二日酔いのあとは、アルコールの摂取は控えましょう。

NG行動3 水を一気に大量に飲む

水分を摂るのはよいのですが、「一度に大量に飲む」のはNGです。
水分を一度に多く摂ると消化不良やむくみの原因になることがあります。

また、「2.二日酔いはなぜ起こる?その5つの原因!」でも述べたように、大量の水分摂取は、頭痛などの原因になることもあります。

じゃあどうすればいいのか。「OK行動」を3つ紹介します!

OK行動1 熱めのシャワーを短めに浴びる

汗をかきすぎるのはダメですが、シャワーを短い時間浴びる程度なら大丈夫です。
さらに、少し熱めにすることで、血行を促進し、アルコールの分解を早めてくれるという効果も期待でします。
それに気分もスッキリしますよね。
「二日酔いの朝は短めのシャワー」でリセットしましょう!

OK行動2 水分をこまめに摂る

一気に摂るのはNGですが、こまめに摂るのはOKです!
さらに、冷たい水よりは、常温の水か、糖分の少ないスポーツドリンクがいいですね。
水分の吸収が早くなります。

味噌汁を飲むのもOK!
よく、「二日酔いの後にはシジミの味噌汁」といいますが、実はシジミ自体にはそれほど効果はありません。(シジミに含まれるオルニチンは、肝臓を保護する働きがありますが、即効性はそれほどないのです。)
「味噌汁」を飲むことで、失われた水分や塩分をゆっくり摂ることができる、というのが大きいんですね。

OK行動3 症状を改善させる薬やサプリを飲む

どうしてもつらい時には、やはり薬やサプリによる症状改善が効果的です。
頭痛がある時は、頭痛薬を飲むのもいいですが、おすすめなのは漢方薬の「五苓散(ごれいさん)」

「五苓散」には、利水作用といって、単に体内の水分量を増やすだけではなく、血液や血管の外の組織の間にある水分のバランスを整えるはたらきがあります。
このおかげで、二日酔いによる症状が改善されるというわけですね。

その他にも、二日酔いに効く薬やサプリはいろいろありますので、自分の体に合ったものを選ぶのがいいと思います。

でも、やはり「お酒は適量にして、できるだけ二日酔いにならないようにする」ことが大切です!
二日酔いにならないように、楽しく飲みましょう!

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