ハイ!OKKAです!
今回は「ウイスキーの作り方」について、できるだけわかりやすく解説していきます!
ウイスキーの原料は「麦芽」
ウイスキーの原料が主に「麦」というのはご存じの方も多いと思います。
詳しくは「大麦」。さらにその中でも「二条大麦」が使われています。
ただし、これは「モルトウイスキー」の場合。
「グレーンウイスキー」や「バーボン」では「トウモロコシ」「ライ麦」「小麦」などの穀物も使われます。
でも、このあたりまで説明するとややこしくなるので、今回は「モルトウイスキー」に絞って解説していきますね。
さて、大麦が原料と言っても、そのまま使うわけではありません。まず、大麦を発芽させるところから始めます。(これを「製麦」といいます。)
この「発芽させた大麦」すなわち「麦芽」がウイスキーの原料となります。
麦芽を作るのは一苦労
大麦を発芽させることを「製麦(モルティング)」と言います。
ウイスキーの場合、発芽させるときに、大麦に水を染み込ませた後、「発芽室」と呼ばれる、温度を一定に保った部屋に広げて攪拌し、たえず空気を送り込みます。
これを「フロアモルティング」と言います。
こんな感じ。
一見して、「めっちゃ大変な作業」というのが分かると思います。
しかし、これはあまりに重労働なので、一部を除いて、今はほとんどの蒸溜所では行っていません。機械を使って、自動で攪拌するようにしています。
大手の蒸溜所でフロアモルティングを行っているのは2022年現在、次の8か所です。
①ハイランドパーク(オークニー諸島)
②スプリングバンク(キャンベルタウン)
③ベンリアック(スペイサイド)
④バルヴェニー(スペイサイド)
⑤ラフロイグ(アイラ島)
⑥ボウモア(アイラ島)
⑦キルホーマン(アイラ島)
⑧ブルックラディ(アイラ島)
ただし、この中で「100%フロアモルティング」を行っているのは「スプリングバンク」のみだそうです。
大手ではこれだけですが、近年、クラフトウイスキーを造っている蒸溜所では、フロアモルティングを行っているところも増えてきているようですよ。
やはり「手作り」は売りになるということでしょうか。
この後、発芽を止めるための「乾燥」を行います。(この時、一部の蒸溜所では「泥炭(ピート)」を焚いて乾燥させます。これがウイスキー独特の「スモーキーフレーバー」を生み出すのですが、ここも詳しく説明すると長くなるので、今回は割愛します!ごめん!)
ここからは、簡単に言って、次の3つの過程からウイスキーが造られます。
①発酵
②蒸溜
③熟成
一つずつ見ていきましょう!
①発酵
まず、麦芽を細かく砕き、水と混ぜ、65℃くらいに加熱します。こうすることで、麦芽の「でんぷん」が「糖」に変わります。(これを「糖化」といいます。)
これを絞って「麦汁」を作り、「酵母」を加えることで、麦汁を発酵させていきます。
こうして、麦芽に含まれる「糖」を「アルコール」に変えていくわけです。
通常、発酵に使う「発酵槽」はステンレス製が多いのですが、こだわって木製のものを使っているところもあります。
②蒸溜
発酵だけだと、アルコール度数は7~9%。ここから度数の高いウイスキーを造るために、「蒸溜」を行います。
モルトウイスキーの場合は、「単式蒸留器」(ポットスチル)に発酵の終わった麦汁(もろみ)を入れ、下から熱します。
水よりアルコールの方が沸点が低い(水は100℃、アルコールは78.3℃)ので、アルコールの方が先に蒸発して気体になります。それを冷却することで、アルコール濃度の高い「蒸溜液」を造るのです。
多くのウイスキーでは、この「蒸溜」を2回行います。
★形によってウイスキーの味わいも異なりますが、基本的な構造は同じです。
③熟成
ここが他の酒とウイスキーの最も違うところです。
「樽熟成」そのものはワインやラム酒でも行われますが、モルトウイスキーの樽熟成の最も特徴的な点は
「一度他の酒を熟成させた樽を使って熟成する」
ということです。
バーボンやカナディアンウイスキーは、新樽を使うのですが、スコッチウイスキーはほぼ、「バーボン樽」や「シェリー樽」のような「旧樽」を使います。
これによって、ウイスキー独特の、複雑な甘味や香味が生まれるのです。
熟成期間は、スコッチウイスキーの場合、最低3年。
こうしてやっと「ウイスキー」が完成するのです。いやー、長かった…!
ビールや焼酎との違いは?
実は、ウイスキーの「発酵」までの製造過程は、ホップを入れることや酵母などの違いを除けば、ビールとほぼ同じなんですね。
ビールも「二条大麦」の「麦芽」が原料ですし、昔は「フロアモルティング」も行われていたそうです。
かなり乱暴な言い方をすれば、「ビールを蒸溜、熟成したものがウイスキー」と言えるかもしれません。
じゃあ、同じ「麦」を原料にした「麦焼酎」とはどう違うのか。
焼酎の場合は、ウイスキーやビールで行われていた「製麦(モルティング)」が行われません。
つまり、「麦芽」ではなく、「発芽していない麦」を蒸して、酵母を加えて発酵、そして蒸溜したのが「麦焼酎」なのです。(蒸溜回数も「一回だけ」が多い。)
また、焼酎では「樽熟成」はほとんど行われていません。
近年、「樽熟成焼酎」も増えてきていますが、日本の法律では、「一定以上の色がついた焼酎」は「リキュール」扱いになってしまうのです…。
それでも、最近は「味が良くなる」ということで、樽熟成焼酎を出すメーカーも増えてきています。
(以前、OKKAも樽熟成焼酎「朝倉」を飲みましたが、かなり美味しかったです!)
まあ、これも乱暴に言えば、ウイスキーと焼酎は、どちらも「大麦」からできた兄弟みたいなもの、と言えるかもしれませんね!
こうしてじっくりと時間をかけて造られたウイスキー。飲むときも生産者に感謝しながら飲みたいものですね!
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